機関設計として「監査等委員会設置会社」を採用し、持株会社としてのグループ全体の経営企画及び管理・監督機能の向上とともに、グループ会社の適法・適正、迅速かつ効率的な事業を推進するためのガバナンス体制を構築することにより、企業価値の向上を目指しています。
当社の取締役会は、取締役9名(うち、監査等委員である取締役は5名)で構成され、そのうち社外取締役は4名(監査等委員である取締役4名)で、社外取締役の比率は3分の1以上となります。なお、社外取締役は、いずれも独立役員として東京証券取引所に届け出ております。定期的に実施する取締役会の実効性の分析・評価も踏まえ、社外取締役への事前説明や付議議案資料の充実、リスクの観点を踏まえた付議基準の見直しなど、取締役会の実効性の向上に継続的に取り組んでいます。
また、当社及びグループ会社の経営上の意思決定を効率的に行うための機関として、代表取締役と常勤取締役等で構成するグループ経営会議を設置しており、取締役会付議事項を含め、当社及びグループ各社における経営計画、営業政策、投資などの重要事項について審議・承認を行っています。そして、当社及びグループ各社では、執行役員制度の導入により業務執行責任を明確にし、各社の取締役及び取締役会が執行役員の業務執行を管理・監督する体制を採っています。
当社の監査等委員会は、監査等委員である取締役5名で構成されています。監査等委員は、取締役会やグループ経営会議その他重要な会議への出席に加え、監査等委員会でそれら会議の内容を確認するなど、取締役の職務の執行について経営判断の原則が守られているかを最重要監査事項として監督機能を果たしつつ、監視・検証を行っています。また、重要な案件に関する決裁書及び重要な会議の議事録の閲覧や、当社の内部統制部門(財務室、総務室、IT・デジタル推進室等)から業務執行状況について定期的にヒアリングを行うとともに、常勤監査等委員は会計監査人(有限責任あずさ監査法人を選任)と月1回、監査等委員会は年4回の会合を原則として実施し、緊密な連携を図ることで監査の実効性の向上に取り組んでいます。
変化の激しい事業環境のもと、競争に勝ち残っていくために、また、前例にとらわれず、多様で新しい視点からの意見が継続的にもたらされることができるよう、役員の多様性の確保は重要な案件であると考えています。取締役候補者の選任においては、ジェンダー、国際性の面、年齢等を問わず、持株会社である当社においての重要な意思決定を行うにあたり必要な知識、能力を有することを基準としています。この方針に基づき、当社グループ内出身の者は、グループ経営戦略、財務、会計、コンプライアンスの立案・推進において適切な能力、経験、知見を有し、持続的な企業価値向上のために適切な人材である者ならびに主要子会社の代表者から選任しています。社外から招聘する者は、業種にとらわれない企業経営の経験者、弁護士、当社グループの事業に有益な専門的知識を有する者等から複数を選任し、バランスと多様性を保ちながら、迅速な意思決定ができるよう適切な規模で取締役会を構成しています。なお、監査等委員である取締役については、少なくとも1名は財務・会計の豊富な経験と十分な知見を有する者を選任することとしています。
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※上記一覧表は、各取締役が有するすべての知識・経験・能力を表すものではありません。
当社は、豊富な経験や幅広い見識、高い専門性に加え、当社の経営において適切に監督が行える人格、識見、能力を有する人材を選任しています。また、当社が設定する「社外取締役の独立性に関する基準」に照らして、独立性の判断を行っています。
- 社外取締役の独立性に関する基準 (356KB)
【選任理由及び出席状況】
役職 |
氏名 |
選任理由 |
2023年度出席回数 |
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取締役 |
番 尚志 |
事業会社の社長・会長経験者としての豊富な経営経験を踏まえて、グループ経営の監督に十分な役割を果たすとともに、賃上げ・物価上昇などの事業環境の変化を見据えた提言や海外事業の動向・戦略のあり方など、幅広い視点から問題提起を行い、適宜、議案に関する意見、質問等の発言を行っております。また、任意の委員会である指名・報酬諮問委員会の委員長を務め、同委員会において適切な助言を行い、経営陣の人事・報酬に関する透明性、客観性の向上に努めております。 |
12回中12回 |
取締役 |
中野 健二郎 |
金融機関での経営者としての豊富な経営経験を踏まえ、グループ経営の監督に十分な役割を果たすとともに、特にファイナンス面における問題提起や、食品事業の構造改革の効果やステークホルダーへの情報発信のあり方など、大局的な視点に立った意見、質問等の発言を行っております。また、任意の委員会である指名・報酬諮問委員会の委員を務め、同委員会において適切な助言を行い、経営陣の人事・報酬に関する透明性、客観性の向 |
12回中11回 |
取締役 |
石原 真弓 |
弁護士としての知識及び経験から、新規事業や大型案件等における法的リスクやガバナンス、コンプライアンスに関して発言を行うだけでなく、消費者・サービス利用者としての視点や、収益計画の内容についても問題提起を行うなど、適宜、議案に関する意見、質問等の発言を行っております。また、当社及び子会社役員を対象としたハラスメント防止に関する研修も実施しております。 |
12回中12回 |
取締役 |
関口 暢子 |
事業会社やコンサルタント業務における経験から、グループ全体の会計及び経営管理の望ましい姿について意見・質問等の発言を行うとともに、コンプライアンス・リスクマネジメントなどに関しても問題提起を行うなど、適宜、議案に関する発言を行っております。また、同氏はIT・デジタル経営委員会の委員を務め、データ利活用やデジタル人材強化についてもIT統制の観点を踏まえ適宜助言を行っております。 |
12回中12回 |
上記4名は当社の定める「社外取締役の独立性に関する基準」の条件を満たしており、東京証券取引所の定める独立役員として指定しています。
当社は定期的に取締役会の実効性の分析・評価を行っており、2024年4月に全取締役を対象としたアンケートを実施、同年4月に開催した代表取締役、社外取締役との意見交換において、取締役会の構成、運営、議題及び取締役会を支える体制に関してヒアリングを実施しました。
アンケートの結果及び意見を分析・評価しました結果、当社取締役会では、議案資料の提供時期の早期化に加え、従前から課題であった中長期経営計画等の議論に関して、2023年度は新中期経営計画の策定にあたり、当社の重点経営課題や今後の方針等について複数回にわたり活発な議論を重ねるなどの改善がなされており、当社取締役会は2023年度の取締役会の実効性は確保できていると評価しました。
一方で、評価結果を踏まえ、事前の検討と取締役会での審議をより効率的・効果的に行えるよう資料の内容や説明の仕方の工夫が必要であるほか、中長期経営計画や新規事業等の進捗報告をさらに充実していくことが課題と認識しており、取締役会の一層の活性化を図るため、引き続き取締役会の実効性の更なる向上に努めてまいります。
当社の役員報酬は、コーポレートガバナンス基本原則に定める取締役などの報酬などに関する考え方を基に、以下の基本方針を踏まえ、月例の基本報酬と、単年度の業績などを反映した年次賞与、勤続条件付株式報酬型ストックオプション(以下「勤続条件付SO」)及び業績連動条件付株式報酬型ストックオプション(以下「業績連動条件付SO」)から構成する報酬体系とし、求められる職務に応じてこれらを組み合わせるものとしています。
【基本方針】
- 当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に資するものであること
- 業務を執行する取締役・執行役員の中期計画の目標達成の動機付けとなること
- 当社グループのミッション達成と持続的成長の実現に適う人材の確保につながること
- 株主との意識の共有や株主重視の意識を高めるものであること
各報酬の概要及び対象者などは以下のとおりとし、業務執行取締役・執行役員の報酬の構成は、固定報酬である基本報酬を約50%、業績及び株価に連動する報酬である年次賞与及び株式報酬で約50%を目安としています。
なお、取締役の報酬については、指名・報酬諮問委員会の検討を経て、取締役会が株主総会に提出する議案の内容及び個人別の報酬などの額を定めるものとし、監査等委員である取締役の個人別の報酬などの額は、監査等委員である取締役の協議によって定めています。
【報酬の概要】
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【対象者・支給時期】
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【報酬限度額】
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当社は、取締役の指名及び報酬の決定にあたり、公正かつ透明性を確保するため、任意の諮問委員会として、複数の独立社外取締役と社長で構成される指名・報酬諮問委員会を設置しています。 当委員会では、取締役などの選任及び解任・解職並びに、候補者の指名、取締役の報酬などに関する方針及び報酬などの内容について検討し、取締役会に勧告しています。後継者育成計画においても当委員会から意見・勧告を通じ監督を行うことで、客観性を確保しています。
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当社は、株主との建設的な対話の実現に向け、機関投資家対応の専任窓口としてIR部を設置し、関係部門と連携をとりながら対話促進を図っております。
機関投資家向けの決算説明会を年4回開催し、本決算・第2四半期は代表取締役社長、主要事業会社社長及びIR担当役員が、第1・3四半期はIR担当役員が出席し、機関投資家との意見交換を行っております。この他にも、スモールミーティング(2022年度:4回)やカンファレンス(2022年度:4回)にIR担当役員が出席するとともに、IR担当役員またはIR担当者が国内外の機関投資家との個別取材対応(2022年度:75回)を実施しています。
また、非財務情報の発信も強化しており、機関投資家向けにESG説明会(2022年度:1回)を開催し、代表取締役社長が当社のサステナビリティの方針や取り組みについて説明を行っています。
そして、個人株主向けには、株主アンケートの実施(年1回)や、ホームページでのお問い合わせフォームの設置などにより適宜ご意見を頂戴しており、機関投資家や個人株主から集約された意見等については、代表取締役社長を含む経営陣に対して、定期的に報告を実施し、必要に応じて関係部門と情報を共有しています。
加えて、株主総会招集ご通知には、株主にお伝えしたいこととして、業績ハイライトや当社の経営計画の内容や進捗をわかりやすく解説するサマリページを新設するとともに、法定期限の1週間前に発送することで、早い段階で、より充実した情報の提供を行っています。
当社は、事業年度ごとの業績をベースにして、中長期にわたる適正な財務体質の構築と成長投資に必要なキャッシュフローを勘案しながら安定的な利益還元を行うことを基本方針としています。具体的には、連結当期純利益、連結純資産、連結キャッシュフローの中長期の計画から総合的に判断して最適な成果配分を行っています。
当社は、取引先、業務提携先等の関係先との良好な関係を構築し、当社グループの事業の円滑な推進と中長期的な企業価値の向上に資すると判断する場合は、当該取引先等の株式を政策的に保有する方針です。ただし、保有株式については、その保有目的、取引の内容、配当利回り、保有リスク等を検証し、保有意義が乏しいと判断する株式については、市場動向等を踏まえて売却を検討します。また、議決権行使については、当社グループの中長期的な視点での価値向上に資するかの視点に立ち、保有目的も踏まえて議案ごとに賛否を判断のうえ行います。