2024年2月14日
2023年10月に「高槻阪急」が「高槻阪急スクエア」としてリニューアルオープン。1階には「たかつきけやきパーク」と名づけられた広々とした室内公園が設置され、日々多くの親子連れで賑わっています。高槻市民の木「けやき」をイメージしたモニュメントがあるこの場所は、大阪府産の木材を利用した什器が使われていたり、高槻市内のボアランティア団体の協力を得て「木育」をテーマとした親子イベントが開催されたりと、子どもたちが「森の循環」を感じるきっかけの場となっています。コンセプト作成から携わった、たかつきけやきパーク担当者に話を聞きました。
――たかつきけやきパークはどのような経緯で作られましたか。
本格的にコンセプトづくりが始まったのは、2022年の5月ごろ。高槻市は子育て世代も多く、公民連携での支援にも力を入れています。私たちも、近隣のファミリー層を応援する場を作りたいと考えて、さらにニーズを深掘りするために合計12名の高槻在住の子育て中の方に集まってもらって座談会を実施したんです。その場で分かったのが、コロナ禍ということもあり、子育て世代の方たちが「人とのつながり」を切望している、ということだったんです。座談会終わりに、みなさんが連絡先の交換を始めて、その時に「あっ、コミュニティが発生する瞬間を見た」と感じて。
――ただ、遊び場を提供するだけじゃなくて、「コミュニティ」を軸にしているんですね。
「集いのきっかけを提供することで高槻ママたちを元気にしたい」というコンセプトは、その座談会を経て出来上がりました。館内の専門店や行政、地元企業と連携したイベントを開催することによって、コミュニティが生まれる場にしたいと思っています。
――内装で大阪府産の木材を利用したとお聞きしました。
はい、大阪府内の森の間伐材を利用しています。全国的にもそうですが、大阪府では、担い手の高齢化などによって森の整備が難しくなってきています。子どもたちが地元産の木材に触れ、木の持つ温かみや手触りを感じることで、地元の森のことを考えるきっかけになればと考えています。
――子どもサイズのモジュール型什器はここならではですね。
イベントに合わせて椅子や机になったり、ディスプレイ台になったり。いろんな使い方ができます。もちろん、子どもが集う場だからこそ、安全性や機能性もかなり考慮して作っています。木でできているからこそ、ずっと使っていくうちに経年変化で風合いも変わっていくと思うんです。いつか、ここに来ていた子どもたちが大人になった時に、そういう風合いの変化も感じながらまたお子さんを遊ばせてくれたら。木とともに長く親しまれる場所になればとてもうれしいなと思います。
――「木育」をテーマにしたイベントも開催されるんですね。
高槻市の農林緑政課との繋がりができたご縁で、大阪府森林組合や森林ボランティア団体にご協力いただいて「木育ひろば」というイベントを開催できることになりました。
初めて開催した2023年11月のイベントでは、1~3歳向けの「木のボールプール」、3~4歳向けの「木工ワークショップ」、5~6歳向けの「どんぐりから木を育てるには」を開催。「どんぐりから木を育てるには」では、自分で切った竹でプランターを作り、どんぐりを植えて持ち帰っていただきました。それを、次の春の植林イベントに持ってきていただくことになっています。
――次につながるイベントになっているんですね。
「植物を育てることで、子どもの心が豊かになってくれれば」と、お父さんが興味を持って申し込んで下さったご家族もいらっしゃいました。地元の木材を使った場ということだけでなく、今後も継続的に「森の循環」を感じていただける場にしていきたいと考えています。