当社グループは、成長戦略の実現とともに、事業内容・規模などに応じた内部統制の仕組みの整備及び適正な運用が重要であると考え、適宜、内部統制システムの見直しを行うとともに、会社法で取締役会決議を義務付けられていないグループ会社においても、内部統制の基本方針を策定・決議し、リスクの発生を防止・低減するための体制整備を行っています。

管理体制

リスク管理・コンプライアンス推進

当社では、リスク発生の予防対策、リスク発生時の報告、発生リスクへの対応の原則、対応策の実施などを骨子とする「リスク管理規程」を制定しています。また、コンプライアンス推進に関しては、当社グループの役員及び従業員が当社グループの基本方針、倫理・法令・ルール等に基づき行動するための基本姿勢を「H2Oリテイリンググループ行動規範」として定めるとともに、「グループコンプライアンス規程」を制定し、当社グループのコンプライアンス推進に関する基本方針並びにルールを定めています。
そして、リスクの未然防止と発生時の損失最小化、コンプライアンス体制の構築・整備を推進するためのリスクマネジメント体制を整備し、「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」「情報セキュリティ委員会」において、当社グループにおけるリスク情報の収集・対応策の策定を行っていくとともに、当社及び当社グループ各事業に責任者を置き、各事業において、事業の特性に応じたリスク対策を自発的かつ計画的に講じる仕組みの構築を行っています。
また、専門部会である公正取引、品質管理、防災・パンデミック、労働環境・人権等の各部会におけるグループ重点リスクに対する取り組み内容と今後の課題について、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会において、情報の共有化と対応策について検討を行うとともに、当社グループにおけるコンプライアンス推進とリスクの未然防止を図るため、グループ各社のコンプライアンス担当者を対象に「コンプライアンス連絡会」を随時開催しています。2025年度は、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(中小受託取引適正化法)」「子ども・子育て支援法」「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」「労働基準法」各々に関する法改正への対応及び顧客情報の保護体制の強化等について周知・啓発を実施しました。今後も、法改正について適時適切な対応を行うとともに、法改正への各社の対応を継続的にモニタリングしていきます。また、顧客情報保護に関しては、透明性の高い情報発信を通じて顧客の安心感の醸成につなげていきます。

体制図(2026年度)

2025年度の主な取り組み内容

コンプライアンス・リスクマネジメント委員会

  • 南海トラフ地震対策及び情報セキュリティについて、現状の取り組み内容や課題の確認及び今後の対応について審議を実施。
  • 人権デュー・デリジェンス実施後の各社における改善取り組みの進捗、改正下請法(中小受託取引適正化法)への取り組みについて報告を実施。

公正取引推進部会

  • 改正下請法(中小受託取引適正化法)の対応方針の決定及び周知を実施するとともに、新たに規制対象になる会社の洗い出し、改正法の対象となるグループ各社の実態調査を実施。調査結果を踏まえ、会社別に対応をサポート。

食品衛生品質管理推進部会

  • 表示適正化推進、業態別衛生管理の強化、食中毒予防等に対するグループの品質管理レベルの向上を推進。
  • グループ品質管理基準の見直しと周知徹底。

品質管理推進部会

  • 広告等の表示表現適正化、取扱商品の外観・縫製適正化の推進、従業員に対する現場力向上のための教育実施。
  • 景品表示法、薬機法のグループ共通表示ガイドラインの一部改訂と、機能性評価ガイドラインを制定。

情報セキュリティ部会(※)

  •  脆弱性管理対象の拡充等セキュリティ運用の高度化、個人情報基盤保護の実装、運用整備等のデータ管理の高度化を推進。 
  • 各種ログ連携、次世代ネットワーク切替等、ネットワーク・クラウドセキュリティを強化。
  • ガイドラインの年次評価・見直し、セキュリティ統制プロセスの実行、事故防止の取り組み等の推進によるガバナンスの強化。

防災・パンデミック部会

  • グループ一斉安否確認訓練、大規模災害を想定したH2Oリテイリング本部とグループ各社本部との情報連携訓練の実施。
  • 被害影響の特定、初動対応の見直し、グループ各社本部への非常用IP無線の配備等による、南海トラフ地震発生時の実践的な対応を推進。

労働環境・人権部会

  • 人権デュー・デリジェンスを実施し特定されたリスク(長時間労働、適正な労働時間、ダイバーシティ&インクルージョン、安全衛生管理体制)について、防止策・軽減策を提案するなど、各社での改善取り組みを推進。

※2025年度は専門部会

災害時の対策

当社グループでは、百貨店や食品スーパーなど不特定多数のお客さまが来店される商業施設を多数運営していることから、地震をはじめとした自然災害の発生に対する取り組みを重視しています。特に災害時に、従業員一人ひとりが自律的に動けることを目指し、災害発生時の初動対応マニュアルの見直しに着手し、速やかに事業を継続・復旧できる体制づくりを進めています。
また、当社および主要な子会社では、従業員の安否確認のための安否確認システムや緊急連絡用の通信手段を整備するなど、災害発生時の迅速な安否確認と情報連絡が可能な体制をとっています。さらに、百貨店や食品スーパーなどの主要な事業子会社では、地震のほかマルチハザードを想定したBCP(事業継続計画)を策定しています。

阪急阪神百貨店

全店舗で「地震対策マニュアル」を策定しています。誰もが指揮者になり、また、複数の役割も担えるように、各店舗で定期的に防災訓練を実施しています。さらに、阪急・阪神両本店においては、南海トラフ地震を想定した津波避難訓練の取り入れ、「帰宅困難者対応マニュアル」も策定しています。また、全従業員への「災害時対応ポケットマニュアル」の配付や社内ポータルサイトへの掲載などにより、防災意識の向上に取り組むとともに、全店舗において災害備蓄品を配備するなど、災害発生時の対策を進めています。

さらに、外国人観光客の多い都心店舗においては、緊急地震速報や避難誘導の多言語化も実施しています。

イズミヤ・阪急オアシス、関西スーパーマーケット

各店において消防訓練や地震訓練を定期的に実施し、災害時における物資や避難場所等の提供に関して、出店地域の自治体と防災に関する協定を締結しています。

イズミヤ・阪急オアシス

  • 23自治体:(大阪府、京都府、奈良県、大阪市、豊中市、池田市、吹田市、箕面市、八尾市、河内長野市、松原市、泉大津市、豊能町、神戸市、伊丹市、西宮市、川西市、京都市左京区、京都市北区、京都市上京区、長岡京市、八幡市、広陵町)

 

関西スーパーマーケット

  • 11自治体:(大阪府、豊中市、箕面市、八尾市、河内長野市、高石市、富田林市、大阪市住之江区、西宮市、神戸市、伊丹市)

 

公正取引確保のための取り組み

コンプライアンス・リスクマネジメント委員会の専門部会として公正取引推進部会を設置し、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 」及び関係法令に関する違法行為の未然防止を目的とし、法令改正等の情報を収集するとともに法令順守のための対応策等を立案し、グループ各社への周知と徹底を図っています。その一環として2025年度においては「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(中小受託取引適正化法)」遵守のための取り組みを行いました。

内部通報制度・ハラスメント対策

内部通報制度「H2Oリテイリンググループ コンプライアンスホットライン」の通報窓口を当社および社外の弁護士事務所に設置するとともに、中核会社をはじめ一部のグループ会社にも通報窓口を設置しています。通報窓口の整備・拡大を図るとともに、ポスターや社内ポータルサイトを活用し、内部通報窓口の周知・徹底を行っています。また、通報内容については、代表取締役および常勤監査等委員に定期的に報告しています。

2024年度に実施した当社及びグループ会社の経営職(管理職)を対象にしたグループ合同ハラスメント研修に続いて、2025年度においては、グループ会社全社のマネージャー(一般職)に対象範囲を拡大して同研修を実施するなど、グループレベルでの知識・知見の習得による職場におけるハラスメント行為の未然防止に取り組むことにより、心理的安全性が保たれる職場環境づくりを目指しています。

反社会的勢力排除に向けた取り組み

「H2Oリテイリンググループ行動規範」において、反社会的な組織、団体、個人などからの不当な要求には一切応じないことを規定しています。グループ各社が締結する契約書においては、反社会的勢力の排除条項の挿入を徹底しており、また、阪急阪神百貨店では、中元・歳暮期の贈答に取引がないか全リストのチェックを行うなど、反社会的勢力の排除に向けた取り組みを行っています。

情報管理

顧客情報をはじめ営業、店舗、人事、財務などの各種情報の適正な運用・管理のため、各種規程を整備しているほか、リスクマネジメントにおける重点取り組み課題の一つとして情報セキュリティを掲げ、専門委員会を設置し、セキュリティ事故の未然防止と発生した場合の損失の最小化に取り組んでいます。

特に、顧客情報の管理については、専門部門やグループ横断の専門部会を設置し、個人情報管理規程および管理マニュアルに基づくルールの厳格な運用と従業員教育の徹底など個人情報の保護に関する法律の遵守に努めています。また、「コミュニケーションリテイラー」として積極的に顧客データを活用したビジネスを推進していくにあたり、顧客に安心して情報を提供いただけるよう個人情報保護ガバナンスの強化に向けた取り組みを行っています。