(左から)阪急ウェディング ドレスサロン ドレスコーディネーターの野呂史さん、阪急ウェディング営業推進統括部長の平田雅子さん

株式会社阪急ウェディングは2003年に創業し、婚礼衣裳のレンタル・販売や結婚式場の紹介などを行ってきました。複数の事業所を運営しており、阪急うめだ本店4階の「ブライダルサロン」では、結婚式場やウェディングフォトなどのご相談を承っています。さらに、大阪梅田ツインタワーズ・ノース26階の「阪急ウェディング ドレスサロン(以下、ドレスサロン)」では、ウェディングドレスやカラードレスに白無垢、色打掛などの花嫁衣装をはじめ、ブライダルアクセサリーやタキシード、ご列席者さまのモーニング、黒留袖など、さまざまな衣装を多岐にわたってご用意しています。阪急ウェディングで、お客さまに寄り添ったサービスを提供する担当者の声をお届けします。

(編集部)

            

最高の一着を求めて

ドレスサロンでは、新進気鋭のブランドから王道のブランドまで、衣装を幅広く取り扱っています。キーワードは、「timeless(世代や時代を超えて色あせない)」「authentic(ディテールや素材にこだわる)」「up-to-date(時代をほどよくまとう)」。「あふれる想いを纏(まと)う日。美しく。」をコンセプトに、お客さまの魅力を引き出す衣装をご提案します。
販売促進や商品の企画、仕入れを担う平田雅子さん、ドレスコーディネーターを務める野呂史さんに聞きました。
        

――まずはお二人のご担当を教えてください

 

平田さん:阪急ウェディング全体の販売促進や商品の企画から仕入れまでを担当しています。ウェブ媒体の管理やスタッフの教育研修にも携わりながら、今後の戦略を考えています。


野呂さん:ドレスコーディネーターとして、ドレスサロンで新郎新婦、ご列席者さまの衣装選びのお手伝いをしています。試着のご対応から挙式時の手配まで、一貫してサポートします。

 

――ドレスコーディネーターは、衣装選びの頼もしいパートナーですね


平田さん:たくさんの衣装を試着される花嫁さまには、「これは私に似合っているのかな?」「どれも同じに見える……」など、不安を感じる方が少なくありません。だからこそ、それぞれのスタッフが培ってきた経験を生かし、「その方にベストな衣装は何か」を常に意識しながら接客、ご提案しています。


野呂さん:時には、ご要望にかないそうなものをドレスコーディネーターがお持ちすることもあります。そうした衣装を選んでいただいたときは、喜びもひとしおです。ただ、お客さまとは異なる視点から新しいご提案をするときはいつも悩みますね。
 

阪急ウェディング ドレスサロンの様子

「王道」を磨き、他社と差別化

――ドレスサロンで重視していることは?

 

平田さん:販売促進や商品の企画、仕入れの担当になってから、「ドレスサロンはどんなお客さまにどんな商品をご提案すべきか」を見直してきました。
前提にあったのは、お客様が「阪急」というブランドに愛着をお持ちだということ。そこで、「婚礼というライフステージで、阪急ブランドに何をお求めなのか?」を掘り下げて考えていきました。他のショップよりもご家族でご試着にお越しになる方が多く、ご家族の意見を尊重し衣装をお選びになる姿を見て、コンセプトが固まっていきました。

 

――どう変えたのですか?

 

平田さん:ご本人の好みもさることながら、家族愛など花嫁さまの背景にある思いも大事にしたいと考えました。2017年からはマーケティング戦略とブランディングを見直し、ご家族やご友人にも喜んでいただける提案を突き詰めました。そうして生まれたのが、「あふれる想いを纏(まと)う日。美しく。」というコンセプトです。
さらに、競合他社を調査するといわゆる“王道”や“正統派”なドレスラインが得意なドレスショップは意外と少なくて。そこで、私たちのお客さまが求めておられる、誰が見ても美しいと感じていただける王道ドレスの品ぞろえや販売促進に磨きをかけてきました。


野呂さん:ドレスサロンには上品な王道のデザインもモードなデザインもあり、ご本人はもちろんご家族も喜んで見に来てくださいます。「阪急さんに行けば上質なドレスが見つかる」「接客をちゃんとしてもらえる」などのお声をよくいただきます。さらに、「接客や品ぞろえがよかったから」とご姉妹が振袖をレンタルしてくださるなど、次のつながりが生まれることも多いです。

 

――いい循環が生まれてきたなか、新型コロナウイルスが猛威を振るいました

 

平田さん:当時は新しいお客さまが増えて波に乗っているところだったのに、コロナ禍で先が見えなくなってしまいました。特に、お客さまにご来店いただくことの是非にはすごく葛藤がありましたね。


野呂さん:フィッティングの際はどうしてもお客さまと距離が近くなるので、接客方法などを模索する日々でした。さらに、マスクを着用しているとお客さまも私たちもイメージが湧きづらく、ベストなご提案をするのに悩みました。


平田さん:コロナ禍では、競合他社の情報発信や新しい衣装の仕入れが弱まっていました。そこで逆に、阪急ウェディングは新しい衣装を買い続けてSNSでの情報発信を強化し、認知向上を目指しました。結婚式が挙げられるかご不安な花嫁さまたちに少しでも希望を持ち続けてほしいという思いもありましたし、自宅で過ごされる時間が増えるなかで情報を発信し続けることで、コロナ禍が明けたときに他社との競争をリードできると考えたんです。


野呂さん:その間、ドレスサロンはご予約の枠を減らし、稼働するフィッティングブース数を限定しながら、お客さまの結婚式準備に寄り添い続けました。コロナ禍であってもお客さまの生活は前に進みますし、式の準備も必要ですので。

フィッティングルームの様子

決め手は「人」。お客さまに寄り添い続ける

――リブランディングの手応えはいかがですか?

 

平田さん:新しくご来店いただくお客さまの数や、承るご婚礼数を増やすことができました。新型コロナウイルスの影響を受けたものの、いずれも2023年12月現在でコロナ禍前の水準まで回復しています。コンセプトに沿ってホームページやリーフレットも刷新したので、お客さまには私たちの魅力が伝わっていると思います。

 

――今後の抱負はありますか?

 

平田さん:お客さまに支持されている部分はぶらさず、今の取り組みを一つひとつ積み上げていきます。なかでも、阪急ウェディングの強みはドレスコーディネーターです。「誰かと楽しい気持ちや不安な気持ちを共有したい」というお客さまの思いは、今後も変わらないでしょうから。


野呂さん:やっぱり、最終的には「人」が決め手だなと思っています。私たちが接客するお客さま一人ひとりに、ご家族やご友人など、たくさんの方々と紡いできた関係性があるんですよね。それぞれの背景やお気持ちに寄り添えば、思いがつながって、納得して選択をしていただける。そして、いい結婚式になると信じています。


平田さん:研修の際、スタッフには必ず「お客さまを『説得』するんじゃなくて、『納得』してもらってください」と伝えるんです。全員の心の中に深く根ざした結果、接客にご満足いただいて、新たなお客さまのご紹介にもつながる。それが、私たちらしい仕事の仕方です。今後も磨きをかけていきます。


野呂さん:スタッフ全員がお客さまに寄り添うことで、阪急ウェディングらしい雰囲気が作れていると感じています。これからも、一つひとつの結婚式を事故なく無事に終えられるよう、丁寧にお客さまに向き合っていきます。そして、私たちのファンをもっと増やしていきたいです。

ドレスサロンの入り口から