(左から)H2Oサンタ事務局長の外間孝次さん、こども食堂「にしなり★つながりの家」代表の川辺康子さん、阪急阪神百貨店新規サービス事業部ケーキ宅配事業部の古賀夕梨乃さん
阪急阪神百貨店がパティスリーと協力し、キャラクターコラボなど独自に企画開発する冷凍ケーキの全国宅配サービス"CAKE LINK"。ハレの日や記念日などに「遠くに住む家族や友人に百貨店のケーキを贈りたい」「家にいながら百貨店のケーキを購入したい」というご要望にお応えし、2020年10月1日のサービススタート以来、これまでに約4万台のご注文をいただいています。(2024年10月現在)
また、H2Oサンタは、H2Oリテイリンググループの社会貢献団体です。こども支援をテーマに、地域社会にチャリティーの文化を創造することを目的に活動しています。
2024年2月から8月の期間、ふたつの部門が協業し、10台販売するごとにこども食堂に同じケーキを1台お届けする”チャリティーケーキ”を企画・販売しました。このケーキの実現に向けた思いとともに、担当者の声をお届けします。
(編集部)
※「サンタがつなぐみんなのケーキ」は2024年8月に販売を終了しています。
「サンタがつなぐみんなのケーキ(いちご)」(直径12cm、高さ7cm) 税込み3,300円
H2Oサンタ事務局長 外間孝次さん:こども食堂とは、「こどもが1人でも行ける無料または低額の食堂」と定義されていて、運営者の思いに沿って施設ごとに運営方針が異なります。共通点としてはこどもと食をつなげ、自由に過ごすことができる居場所であるということです。こども食堂の多くが、こどもからご年配の方まで、地域の幅広い方々が気軽に参加できる多世代交流の拠点として役割を担っています。年々増え続けているこども食堂の数は2023年度に全国で9,000箇所を超え、のべ1,000万人以上のこどもたちが利用しています。
私は、H2Oサンタがこども食堂との取り組みをはじめた2013年頃から足を運んでいますが、運営スタッフの方やこどもたちと接している中で、誕生日にケーキでお祝いをしてもらったことがないこどもたちの存在を知りました。
その子たちのためにH2Oサンタで何か力になれないかと考え、CAKE LINKの担当部門にお声がけし、「サンタがつなぐみんなのケーキ」の実現に至りました。
阪急阪神百貨店新規サービス事業部ケーキ宅配事業部 古賀夕梨乃さん:"CAKE LINK"というサービス名には、「ケーキで人と人の想いをつなぐ」という意味が込められています。「サンタがつなぐみんなのケーキ」は、ケーキを囲む楽しさを通じて、チャリティーにご参加いただいたご購入者とこどもたちとをつなぐことができればと思い、企画しました。ケーキ本体の価格とこどもたちへの寄付額のバランスを考慮し、ご負担いただきやすい価格帯を想定して、ケーキを10台販売するごとに、こどもたちにも1台届けるという設計にしました。
こどもたちに、誰もが想像する定番のケーキを届けることを目指してデザインしたのが、白いデコレーションケーキでした。そして”いつもこどもたちに寄り添っている”ことを表すため、サンタのデザインのアイシングクッキーを添えました。
阪急阪神百貨店第1店舗グループフード商品統括部ギフト商品部 中村有希さん:私自身育児をしているのでこどもたちと毎日接しています。今回の企画に携わり、「ケーキを食べたことがない」というこどもの言葉を聞いてとても衝撃を受けました。今回の企画を担当する中で、 “ケーキを通じて想いや幸せを届ける”というCAKE LINKが掲げる理念もあり、おこがましいかもしれませんが、なんとかこどもたちにケーキを届けてあげたいという気持ちで商品化に取り組みました。商品化にあたっては、ケーキとしての魅力はもちろんのこと、この取り組みの意義をどのように伝えるかが最も重要な課題でした。
こうしてできた、人の想いをこどもたちへとつなぐケーキを、2024年7月、外間さん、古賀さんがこども食堂「にしなり★つながりの家」にお届けしました。
「にしなり★つながりの家」の代表を務める川辺さんは、貧困によって何かをあきらめる瞬間がこどもたちの心をむしばんでいくと考え、こども食堂の活動を通じてこどもたちの未来を支える活動をおこなっています。食事が楽しいものであることをこどもたちに伝えるために、食後のデザートも大切にしておられます。
切り分けたケーキをこどもたちに配る川辺さん
実際に届けたケーキを食べるこどもたちの反応を見て感じたことを、おふたりにうかがいました。
外間さん:ケーキを見る前は「オレ、ケーキとかキライだし」と言っていた小学生も、テーブルにケーキが並ぶと真っ先に駆け寄って、川辺さんがケーキを切り分ける様子を待ちきれない様子で見つめていました。そして、とてもおいしそうに一気に食べてくれました。
元気があり余っているのか食事の前は動きまわっていたこどもが、ご飯を食べて、デザートのケーキを食べると落ち着き、笑顔になっていました。おなかが満たされると、穏やかな気持ちになりますよね。
古賀さん:「みんな、ケーキ食べるよ!」という川辺さんの一声でたくさんのこどもたちがテーブルの周りに集まり、開ける途中のケーキ箱をのぞき込んでいたのがとても印象的でした。
ケーキを囲む楽しい時間をこどもたちに届けたいという思いがあったので、みんなで楽しんで食べている光景を見てたいへんうれしく思いました。
外間さん:異なる学年、違う町のこどもたちに加え、さまざまな世代の大人も集まるこども食堂は、ひとりぼっちをつくらない地域のつながりの拠点です。H2Oサンタはこれからもそんなこども食堂を応援し続けます。
「こども支援をテーマに地域社会にチャリティーの文化を創造する」というH2Oサンタの理念を実現するために、社会貢献団体が抱える課題の解決に取り組みます。
私たち一人ひとりが持つお金だけでなく、モノや技能、時間、情報などの個人財を活用することを目指して、寄付を募るための活動だけでなく、こども支援の現場を調査したり、ボランティアの仲介をするなど「誰もが誰かのサンタになれる。」を合言葉に活動をしてまいります。
古賀さん:阪急阪神百貨店のケーキ宅配事業は、「ケーキが買いたくても買いに行く時間がない」「距離的に難しい」「より特別感のあるケーキを食べたい」という皆さまのご要望にお応えできることを目指しています。
冷凍ケーキを47都道府県すべてにお届けする”CAKE LINK”では、今年度販売開始した福井県立恐竜博物館監修フィギュア付きの「恐竜ケーキ」やこども服ブランドのメゾピアノ監修「ストロベリープリンセスケーキ」のような、こどもたちに楽しんで食べてもらえるデザインのケーキをはじめ、約40種のスイーツを展開中です。他にはないハンドメイドの繊細なデザインと梱包体制で、今後もみなさまの人生の節目に「おめでとう」の気持ちを全国にお届けします。