(左から)株式会社エイチ・ツー・オー商業開発 販売促進部 宮澤さん、伊集さん、いずにゃん、奥林さん
ショッピングセンターは今、来館目的の多様化やオンライン消費の拡大により、単なる「買い物の場」から、地域の人々が集い、つながる「交流の拠点」へと求められる役割が変わりつつあります。エイチ・ツー・オー商業開発が運営する商業施設「イズミヤSC」では、2024年11月に誕生した公式キャラクターの「いずにゃん」が、施設の想いを可視化し、お客さまとの交流を深めるための架け橋として、日々奔走しています。今回は、いずにゃんの生みの親であり、共に歩む販売促進部の宮澤さん、伊集さん、奥林さんに、誕生の舞台裏や「ゆるバース2025」での熱狂、そして地域と共に描く未来についてお聞きしました。
(編集部)
イベントに参加し、地域の方々と交流するいずにゃん
――まず、いずにゃんは、どんな活動をしているのでしょうか。
宮澤さん:イズミヤSCの公式キャラクターとして、グループ内外のイベントに出演したり、当社のフードトラックの出店先に同行して盛り上げたり、ポスターに登場して当社施設からのお知らせを皆さまに届けたりと、地域とショッピングセンターをつなぐ役割を担ってくれています。
――そんないずにゃんが誕生した経緯を教えてください。
宮澤さん:私たちの会社は2020年、前身にあたるイズミヤの分社化※の際に、店舗の施設運営及び衣料品等の販売事業を引き継ぐ形で「エイチ・ツー・オー商業開発」としてスタートしました。関西の皆さまに長く親しまれてきた「イズミヤ」という名前ではなくなったことで、改めて私たちを象徴するものが必要だと考えたのです。施設の想いや価値をわかりやすく伝え、世代を超えて親しまれる存在。そこで出た答えがふわふわでハート(愛)がつまった「 ゆるキャラ」でした。
※イズミヤは2020年に、店舗の施設運営及び衣料品等の販売事業を株式会社エイチ・ツー・オー商業開発に、医薬品、化粧品、日用 雑貨等の販売事業を株式会社CFIZに、それぞれ吸収分割により分社しました。
伊集さん:それからゆるキャラについてみんなで勉強しましたよね。親しみやすいキャラクターにするにはどうすればいいか、って。最終的に、「見る人がほっこりする」「写真やイラストでもやわらかさや丸みが伝わる」といったことにこだわって調整を重ね、今のデザインになりました。
奥林さん:当社の今井社長がよく口にする「愛のある経営」という言葉から、鼻と胸にはハートのマークをあしらっています。胸のハートに記した「i」という文字には、「愛」「イズミヤのi」「『i-closet』※のi」など、いろんな意味が重なっています。
※エイチ・ツー・オー商業開発が運営する衣料品売り場
――完成したデザインをもとに、名前は公募で決定されたそうですね。
伊集さん:はい。イズミヤSC全店でお客さまと従業員に名前を募集したところ、なんと1,026通もの応募をいただきました。どれも素敵な名前で、その中から候補を選ぶのは本当に難しかったです。それでも何とか3つに厳選し、最終的にはお客さまや従業員に投票ボードへシールを貼って投票してもらいました。「いずにゃん」という名前は、私たちだけで決めたのではなく、地域の皆さまと一緒に選んだ名前だからこそ、誕生当初から深い愛着を持って迎えていただけたのだと感じています。
みかん詰め放題イベントのいずにゃん
――2025年には日本最大級のゆるキャラの祭典「ゆるバース」に出場しました。
奥林さん:ショッピングセンターの中だけでなく、より多くの方にいずにゃんを知っていただきたいという想いで挑戦しました。初参加でどこまで行けるか不安な面もありましたが、皆さまに応援していただいたおかげで、299体中17位(大阪府では1位)にランクインすることができました。
伊集さん:東京で開催された決選投票会では、全国から集まったたくさんのキャラクターたちと交流し、仲良くなれました。いずにゃんとお友達になってくれたゆるキャラとのコラボレーション企画を、後日イズミヤSCで開催するなど、ゆるバースからつながった縁で新たなイベントも生まれています。
「ゆるバース」決選投票会での交流の様子
――反響はありましたか?
宮澤さん:お客さまやお取引先から「最後の追い上げがすごかったね!」「Instagram見てるよ!」などのお声がけをたくさんいただきました。
ゆるバースをきっかけにいずにゃんのファンになってくれた方も多く、ファンレターや年賀状が届いたり、遠方にお住まいの方が西宮でのイベントにわざわざ会いに来てくださったりと、私たちの想像を超える広がりを見せています。自分たちで発信するだけでなく、ファンの方がSNSでいずにゃんの魅力を広めてくださる「自走するコミュニティ」が少しずつ形になってきているのが、本当にうれしいですね。
奥林さん:いずにゃんを大好きになってくれたお子さまが、どこに行くにもぬいぐるみを連れて歩いてくださっているそうです。さらに、お母さまが、実物そっくりの「みかんの名札」をぬいぐるみ用に手作りしてくださり、それをいずにゃんに見せに来てくれたことがありました。いずにゃんのみかんの名札は、いずにゃんが皆さまに愛されるキャラクターになってほしいと願って私たちが手作りで制作したものです。ですので、その光景が、微笑ましくて、嬉しくて、胸がいっぱいになりました。
(左)みかんの名札をつけたいずにゃん (右)「いずにゃん」おすわりぬいぐるみ
※「いずにゃん」おすわりぬいぐるみはi-closet各店と、楽天アイ・クローゼット店で販売中
――いずにゃんの活動は、どのような「体験」につながっていますか?
宮澤さん:私たちが目指す「コミュニケーションリテイラー」は、単なる物の売り買いを超えて、人・情報・体験をつなぎ、お客さまとの関係性を育む存在だと考えています。販売促進部の業務は、その関係性を具体的に可視化し、体験として届けることだと考えています。どこでも物が買える時代だからこそ、「このSCじゃないと体験できないこと」が必要なんです。
そこで例えば、地域の幼稚園のお子さまと一緒に花壇に花を植えるワークショップ。そこにいずにゃんが来るだけで子供たちの目が輝き、その場の会話が弾みます。そんな風に、いずにゃんは「イズミヤSCじゃないとできない体験」を生み出すお手伝いをしてくれています。
伊集さん:i-closet各店のレジ横やフードトラックに「いずにゃん」ぬいぐるみを置いているのも、お客さまとの対話のきっかけになればという想いからです。お客さまの声を拾い、形にする。そして私たちの想いをお客さまに届ける。このコミュニケーションのサイクルを丁寧に繰り返していきます。
フードトラックとともに博多出張に訪れたいずにゃん
――最後に、これからのいずにゃんについて教えてください。
宮澤さん:いずにゃんを通じて、私たちの「想い」や「価値観」を丁寧にお客さまへ届け、地域の方々にとってイズミヤSCが「なくてはならない場所」であり続けられるよう、ブランド資産として育てていきたいと考えています。
伊集さん:直近では、大阪文化服装学院の学生さんとの産学連携プロジェクトを行いました。エイチ・ツー・オー商業開発が地域の皆さまへ提供を目指す「『花』と『音楽』と『祭り』と『健康』のある暮らし」の中の「花」をテーマに、学生さんにいずにゃんの新しいお洋服をデザイン・制作していただく企画です。2026年3月下旬に、イズミヤSC千里丘でお披露目イベントを実施し、たくさんの地域の方にお越しいただきました。
今後もこうした地域と連携した企画を継続していきます。
奥林さん:2026年もゆるバースに参加します。目標としている「ゆるバース優勝」にむけて、SNSやメディアへの露出も増やしていきたいです。将来的にはInstagramのフォロワー1万人を目指しています。
これからも、ぜひ「いずにゃん」の応援をよろしくお願いします!
大阪文化服装学院の学生さんとの産学連携プロジェクト、お披露目イベントの様子


